ライフサイクルマネジメント(LCM)とは? IT資産管理のポイントを解説

業務で利活用が増えるモバイルデバイスは、企画から購入、運用、廃棄に至るまでのライフサイクルで管理をする考え方が浸透しています。またIT資産管理を適正化する観点からも、今、最先端の方法としてライフサイクルマネジメント(LCM)の外部サービスを利用する企業が増えています。
今回は、ライフサイクルマネジメント(LCM)の概要から必要な理由、LCMサービス利用のメリットまで解説します。
目次
ライフサイクルマネジメント(LCM)とは?
ライフサイクルマネジメントとは、「Life Cycle Management」のことで、頭文字を取って「LCM」とも呼ばれています。施設の運営・管理やシステム開発などでも使われますが、IT機器の分野で使われるときには、パソコンやスマートフォン、タブレットなどのモバイルデバイス、ITシステムの導入から廃棄に至るまでの一連のサイクルの管理を意味します。
ライフサイクルマネジメントの対象となるライフサイクルは、大きく4つの段階に分かれます。
1. 設計
設計とは、導入するデバイスを利用する際の全体的な目的や設計を指します。使用する端末の性能・スペックのリサーチ、仕様の決定、運用ポリシーの策定、運用フローの設計など、詳細を決定します。業務内容によって求められる性能が異なるため、最適なPCを検討する必要があります。
2. 調達・導入
デバイス自体や、デバイスを一元管理するMDM(Mobile Device Management/モバイルデバイス管理)などのツールの調達・導入を行います。デバイス導入の際に行う、初期設定や必要なアプリケーションのインストールなどのキッティングも含まれています。
3. 運用・保守
デバイスの紛失・盗難への対応、アプリケーション・データ利用状況の把握、操作方法の問い合わせサポート、セキュリティ保守などの運用・保守業務を行います。
4. 廃棄
故障や劣化、リプレイス時など、必要に応じてデバイスを廃棄します。データを消去し、適切な方法で廃棄することが求められます。
これらのデバイスのライフサイクル全体に渡って管理することがライフサイクルマネジメントです。
ライフサイクルマネジメント(LCM)が必要な理由
なぜ、ライフサイクルマネジメントが必要だといえるのでしょうか。主な理由として、次の3つが挙げられます。
故障やセキュリティ関連のリスクを低減できる
ライフサイクルマネジメントが適切に行われていないデバイスは、故障への対応が遅れ、不具合が生じたまま利用し続けてしまうこともあり、業務の妨げになってしまいます。また、紛失・盗難時や不正利用などのセキュリティリスクの高い状況に陥ったときに、適切な対応を取ることができません。
新しいデバイスやシステムを導入する計画を立てる際にも、古いデバイスが適切に管理されていなければ、適切な設計が行えないリスクもあります。
管理の効率化につながる
今後、事業の成長と共に、さらにデバイスの導入台数を増やしていく計画を持つ企業は多いでしょう。台数が増えれば増えるほど、デバイスの管理は煩雑化するため、より効率的な管理手法が求められます。社内の一部のデバイスの運用・保守のみ対応しているといった状況ではあらゆるトラブルやリスクに対応することができません。社内のデバイスすべてに対して適切にライフサイクルマネジメントを行っておくことで、多種多様なデバイスであっても管理が容易になります。
IT資産管理の必要性
IT機器はIT資産として管理する必要もあります。固定資産となるデバイスについては、管理台帳に、価格や取得年月日、管理部門などの正確な情報を記載し、管理することが求められます。ライフサイクルマネジメントを行っていれば、同時にIT資産管理も実施できるので効率的といえるでしょう。
社内で適切なライフサイクルマネジメントが行われることで、健全なIT機器環境を維持できます。
近年注目されるライフサイクルマネジメント(LCM)サービスとは?
ライフサイクルマネジメントは、企業の情報システム部門が自ら、すべてのIT機器に関して行うのはむずかしいこともあります。そこでライフサイクルマネジメントを一括で代行してくれるライフサイクルマネジメントサービス(以下、LCMサービス)の利用が進んでいます。
LCMサービスとは
LCMサービスとは、ライフサイクルマネジメントを代行する外部サービスです。多くの場合、設計、調達・導入、運用・保守、廃棄の各段階において、それぞれの専門家が代行するため、質の高い管理・業務が実現します。
LCMサービスの業務内容
具体的には、次のような業務内容を備えています。
- 企画・運用設計
現状分析、計画立案、デバイスの仕様や通信プランの提案、セキュリティポリシーや運用ポリシーの策定、運用フローの設計など。 - ソフトウェアの導入支援
MDMやクラウドサービスなどのソフトウェアの仕様の提案・選定・構築など。 - 調達・キッティング
デバイスの調達から手順書の作成、動作検証、作業工程の管理、配送管理、キッティングなど。 - サポートデスク・請求管理
社員からの操作の問い合わせ対応、盗難・紛失対尾応、デバイスやソフトウェアの請求管理・支払代行など。 - 保守
修理・機種変更対応、修理時の代替機の提供・管理など。 - 廃棄
デバイスの買取やデータ消去など。
ライフサイクルマネジメント(LCM)サービスのメリット
LCMサービスを導入することで、次のようなメリットが期待できます。
IT機器の適切な運用
LCMサービスではIT機器を適切かつ効率的に運用代行してもらえるため、パソコンやモバイルデバイスが数多く導入されているケースにおいては、特に煩雑な運用になりがちですが、LCMサービスを利用することで、適切な管理と運用につながります。
セキュリティの強化につながる
ライフサイクルマネジメントを行うことで、セキュリティをより強化することができます。ライフサイクルマネジメントを行う上で欠かせないのが、デバイスのセキュリティ管理ですが、MDMを操作してセキュリティ対応を行う際にも一定の専門技術や知識が求められます。「いつ・どのようなときに・どのように」対応すべきか知り尽くした専門家が管理したほうがセキュリティは強化されます。この点も自社で行うのと比べたときのメリットといえるでしょう。
人手不足の解消
少子高齢化による労働力不足を背景とした人手不足は、どの企業でも深刻な問題です。アウトソーシングすれば、本来必要であった管理人員の数を減らせます。
業務効率化と生産性向上
大量の端末のキッティングや、PCトラブル時の問い合わせや対応、原因の調査には非常に時間と手間がかかります。そのため、LCMサービスを利用すれば、キッティング業務なども短期間で対応することができ、さらにこれまで管理していた社内の人員をコア業務に充てることができるため、業務効率化につながり、生産性向上が見込めることが最大のメリットです。
コスト削減が可能になる
管理人員が削減できれば、人件費の削減につながります。さらに、ライフサイクルマネジメントでは、デバイスの調達を最も効率的な方法で実施したり、コンプライアンスやセキュリティ面の管理を効率的に実施したりすることから、結果的にトータルコストが抑えられると考えられます。日々、適切な管理を継続していることで、万が一のトラブル時にも迅速に対応でき、無駄なコストをかけずに済みます。
まとめ
社内で増えるデバイスを、ライフサイクル全体を通じて適切に管理するライフサイクルマネジメントは、今後、ますます多くの企業にとって重要になってくると考えられます。
社内で実施するのがむずかしい場合は、LCMサービスを利用することで、トータルでの効率化とコスト削減が期待できるでしょう。
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