学校にタブレットが導入される背景と導入のメリット・デメリット、課題解決策を解説!
学校では近年、GIGAスクール構想を背景にタブレットの導入が進んでおり、すでに導入完了している学校も増えています。そのような中、タブレットを存分に利活用して学習・教育に役立てるためにも、学校に導入するメリットとデメリットをそれぞれ把握しておくことが重要です。
今回は、学校でタブレットが導入される背景や状況、導入するメリット・デメリットや、デメリットを埋める対策などをご紹介します。
目次
学校におけるタブレットの導入率
日本国内の学校では、近年、タブレットの導入率が高まっています。
文部科学省の「義務教育段階における1人1台端末の 整備状況(令和4年度末時点)」(※1)によれば、全自治体等のうち1,810自治体等(99.9%)が令和4年度内に、すべての児童生徒が学習者用端末を活用できる環境の整備が完了すると発表されています。
ここでいう学習者用端末とは、タブレット型やノート型の可動式端末を指しています。また整備が完了するとは、児童生徒の手元に端末が渡り、インターネットの整備を含めて学校での利用が可能となる状態を指しています。
すでに、ほぼすべての学校でタブレットなどが導入されていることがわかります。
では、どのくらいそれらの端末が利用されているのでしょうか。
文科省が発表した「R5全国学力・学習状況調査」の結果(※2)によれば、1人1台端末を授業で活用する小学校・都道府県別(政令市除く)は「ほぼ毎日」と「週3回以上」が約9割となっています。地域差はありますが、すでに多くの小学校では授業で頻度高く活用していることがわかります。
※1:文部科学省「義務教育段階における1人1台端末の整備状況」
https://www.mext.go.jp/content/20230711-mxt_shuukyo01-000009827_01.pdf
※2:文部科学省「GIGAスクール構想を含む教育の情報化を通じた教育改革」
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/reform/wg7/20231102/shiryou1.pdf
タブレットが学校に導入される背景
なぜタブレットは学校にこれほどまでに導入されているのか、その背景を確認しておきましょう。
「GIGAスクール構想」
文科省は「GIGAスクール構想」を打ち出しており、施策を進めています。GIGAスクール構想とは、義務教育段階における小学校と中学校のICT環境を整備する中で、学習用端末を児童生徒1人につき1台、インターネットにつながる形で利用できるようにすることに対し、国が費用を補助する制度です。
学習用端末は、Windows PCやChromebookのほか、タブレットであるiPadも標準仕様として示されています。
GIGAとは「Global and Innovation Gateway for All」の略称であり、変化の激しい時代において、誰一人取り残すことなく、子どもたちに個別最適化されたICT環境を整備することが重要という考え方です。
ICT教育の必要性
文科省は、学校におけるICT教育の必要性も強く打ち出しています。変化の激しい社会を生きるために必要な資質・能力などを育成するために、ICTの活用が貢献できるとしています。
ICTの活用により、改訂学習指導要領にある「生きる力」を養うために必要な学びを実現することが重要視されています。生きる力は、いかに社会が変化しようとも、自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力です。特に問題発見力を育む探究的な学習に、ICTの活用が欠かせません。
学校にタブレットなどを導入するメリット・デメリット
教育にタブレットなどを導入することは、児童生徒、教員・学校それぞれにとってメリットとデメリットがあります。十分に確認しておきましょう。
【メリット】
児童生徒のメリット
- 授業がわかりやすい
- 学びが楽しく積極的になれる
- 直観的な操作が可能
児童生徒にとっては、タブレットなどを1人1台使用できるようにすることで、映像や音声などをタブレットに映し、紙の教科書では実現不可能だった教材による教育が可能です。授業がよりわかりやすくなり、理解も進むと考えられます。学びが楽しくなることから、積極的・主体的な学びも促します。
また、タブレットは画面をタッチすれば操作できるため、直観的に扱うことができます。ICTに不慣れな児童生徒でも簡単に操作できる点もメリットです。
教員・学校のメリット
- ITリテラシー育成・向上
- 一人一人に合わせた指導の実現
- 業務負荷軽減
- データ共有がスムーズになる
教員や学校にとってのメリットは、児童生徒のITリテラシーの育成向上を実現できることにあります。従来の黒板を用いた授業とは異なり、各児童生徒の端末に個別最適化された教材を提供しながら授業を進められるため、一人一人に合わせた指導を実現できます。
また従来、印刷が必要だったプリント類や資料の準備にかかる時間と手間の削減につながります。さらに、教員間や保護者とのデータによる情報共有が実現できるようになります。
【デメリット】
児童生徒のデメリット
- 手書きの回数が減る
- 視力低下のリスク
タブレットなどの端末を常時利用していると、手書きの回数が減り、文字を書くという行為がもたらす学習効果や身に着けるべきスキルなどに不足が生じる恐れが指摘されています。また毎日、画面を長時間眺めることになるため、視力が低下するリスクがあると指摘されています。
教員・学校のデメリット
- 授業中に関係のないことで遊ぶリスク
- 導入時のICT環境の整備、キッティングの手間
- セキュリティリスク
- タブレットの不具合による授業の中断
児童生徒に対して1人1台、タブレットなどを操作できる環境を与えることで、授業とは関係のない情報へのアクセスやアプリを利用して遊んでしまう恐れがあります。また、導入時の端末やネットワークの整備、端末の初期設定やセットアップ作業などのキッティングの手間がかかるというのも大きな課題です。
またネットワークにつながることで、情報漏洩のリスクがありますし、端末そのものの紛失・盗難リスクもあります。
万が一、タブレットが不具合を起こしたときにサポート体制が整っていなければ、授業が中断したり、しばらく端末が使えないといった事態に陥ることもあります。
学校におけるタブレット運用の注意点
前述のように様々なメリットも多いタブレットですが、運用にはいくつかの注意点が存在します。以下に、学校におけるタブレット運用の際に特に気をつけるべきポイントをまとめました。
1.セキュリティの確保
タブレットはインターネットに接続されるため、導入にはセキュリティ対策が欠かせません。
ウイルス対策ソフトのインストールや定期的な更新はもちろんのこと、不正アクセスを防ぐためのパスワード管理が重要です。また、フィルタリングソフトを導入するなど、生徒が有害なウェブサイトにアクセスするリスクを低減することも必要です。
2.適切な利用ルールの設定
タブレットを導入した後の明確な利用ルールを定める必要があります。授業中の使用時間や使用目的を明確にし、ゲームやSNSの使用を制限することで、学習に集中できる環境を整えましょう。一方で、学習に使うことを制限することは望ましくないため、ルールは生徒と教師が一緒に考え、納得のいく形で設定できるとよいでしょう。
3.デジタルリテラシーの教育
タブレットを効果的に活用するためには、生徒自身がデジタルリテラシーを身につけることが重要です。情報の信頼性を判断する力や、適切なコミュニケーションマナーを教えることで、生徒はタブレットを安全かつ有効に利用できるようになります。
4.保護者との連携
タブレット導入後の家庭での利用についても、保護者との連携が必要です。家庭での利用時間や内容を共有し、保護者も子どもの学習をサポートできるようにしましょう。定期的な情報交換や説明会を通じて、保護者の理解と協力を得ることが大切です。
5.技術サポートの充実
タブレットの導入・運用には技術的なトラブルがつきものです。専任の技術サポートスタッフを配置し、迅速に問題を解決できる体制を整えることが求められます。また、教師自身も基本的なトラブルシューティングの知識を持つことで、授業中のトラブルに対応しやすくなります。
6.健康管理への配慮
長時間のタブレット使用は目や身体に負担をかける可能性があります。適度な休憩を取り入れ、姿勢や画面の明るさを調整することで、健康への影響を最小限に抑える工夫が必要です。また、ブルーライトカットのフィルムやアプリの活用も検討すると良いでしょう。
学校のタブレット導入にはLCMサービスの利用がおすすめ
タブレットを学校に導入することは、メリットが多い一方で、課題も複数、あることがわかります。そこで、一部の課題解決につなげるための方法をご紹介します。
キッティング代行サービスの利用
タブレットなどを導入する際には、購入したままの状態では児童生徒に渡すことができません。必ず事前に初期設定やセキュリティ、ネットワークなどの設定が求められます。特にキッティングと呼ばれる一連の初期設定やセットアップ作業について、教職員がすべての端末に対応するのは困難といえるでしょう。
そこでよく利用されているのが、専門業者が代行するキッティングサービスです。キッティングサービスを利用すれば、大量の端末のキッティングを短期間かつ品質高く実施してくれるので、安心かつスピーディーに端末を導入できます。
LCMサービスの利用がおすすめ
キッティング代行サービスを利用する場合は、キッティングだけでなく、端末の選定・調達から運用・保守、修理、交換、廃棄まで端末のライフサイクル全体で管理を任せられるLCMサービスを利用するほうが効率的といえます。
LCMとは「Life Cycle Management」の略で、主にPCやスマートフォン、タブレットなどのモバイルデバイスのライフサイクル全体を管理する取り組みです。ライフサイクル全体を通じて学校のタブレットの管理を任せることで、日々、安心して利用を進めることができます。
またタブレットに不具合が生じた際にも、サポート体制が万全に整っているサービスもあるため、迅速な対応が可能です。
キッティング代行を任せたいと検討する際には、長期的な視野でLCMサービスを選択するのも一案です。
- 【関連リンク】
LCMサービスとは?注目される背景やメリットを解説
まとめ
学校へタブレットを導入することはメリットもデメリットもあります。デメリットや課題を解決するための一つの方法として、タブレットなどをライフサイクル全体を通じて管理するLCMサービスの利用がおすすめです。
LCMサービスのご利用を検討される場合は、企業向けだけでなく、学校向けにも対応しているMXモバイリングのLCMサービスがおすすめです。学校への導入実績もございますので、お気軽にお問い合わせください。
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