Device as a Service(DaaS)とは?メリットを分かりやすく解説
働き方改革の普及により多様な働き方が生まれ、生産性向上がより一層叫ばれる中、企業は業務に欠かせないパソコンやタブレットなどのスマートデバイスを、より多く、柔軟に管理する必要性が出てきています。そうした背景を踏まえ、スマートデバイスは「所有」から「利用」の時代へと変化しています。今回は、その変化を象徴する「Device as a Service」という考え方を解説します。
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企業がスマートデバイスを導入する際の3つのパターン
企業がスマートデバイスを導入する際には、主に次の3つのパターンがあります。
1.購入
スマートデバイスを直接、自社で購入する方法です。初期導入費が大きいものの、月額費用は不要になります。また購入する機種に制限はなく、最新の機種も選ぶことができます。ただし、一度購入したらすぐに買い直すことは難しいです。会計における計上方法は「オンバランス(売買処理)」です。
2.リース
リースとは、自社が選ぶ希望のスマートデバイスを、リース会社が代わりに購入し、一般的に長期間にわたって賃貸する契約を結ぶ方法です。スマートデバイスの所有権はリース会社にあります。原則、中途解約はできません。費用はリース期間に毎月発生します。初期費用を大幅に抑えられることや、利用機器をある程度自由に選定できることがメリットです。会計における計上方法は「オンバランス(売買処理)」か「オフバランス(賃貸借処理)」です。
3.レンタル
レンタル会社が所有するスマートデバイスの中から使用したい機種を選び、一定期間に渡って賃貸する方法です。費用はレンタル期間に毎月定額を支払うのが一般的で、初期費用を大幅に抑えることができるほか、契約期間は自由に設定できること、中途解約や延長が容易なことなどがメリットです。一方、機器はレンタル会社が所有しているデバイスに限定されるため、最新機種など業務に適した機器を自由に選ぶことはできません。会計における計上方法は「オフバランス(賃貸借)」のため、会計上の処理は経費計上となります。
【関連コラム】
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Device as a Service(Daas)とは
Device as a Serviceとは、パソコンやタブレットなどのデバイスの調達から廃棄までのライフサイクル管理を、月額課金形式のサブスクリプションサービスとして提供するものです。業務に必要なスマートデバイスのソフトやサポートも併せて効率的に導入できるため、スマートデバイスを購入して「所有」するのではなく、サービスとして「利用」するというコンセプトを持ちます。
既にhp(ヒューレットパッカード)やlenovoなどのハードウェアベンダーがDaaS事業に参入しているだけでなく、ソフトウェアベンダーであるマイクロソフトも「Device as a Service+Microsoft 365」を発表しています。横河レンタ・リースやオリックス・レンテックといった国内企業もDaaS事業へ参入しており、市場展望は拡大が予測されます。
スマートデバイスのライフサイクル
導入の計画・設計
↓
調達
↓
設定
↓
展開
↓
最適化
↓
保守
↓
廃棄
DaaSは、企業が抱える調達から廃棄までのパソコン等のデバイス運用管理における課題を解決する有効な手段として、期待が高まっています。
Device as a Serviceが注目される背景
DaaSが広まってきている背景として、次の2点が考えられます。
1.生産性向上のため、最新機種を「利用」する時代の流れにマッチ
働き方改革により、従業員の生産性向上が求められています。各人が複数台のデバイスを扱うケースも珍しくなく、企業が管理する総デバイス数は増加しました。そのような中、例えばスマートデバイスの機能性は業務の生産性に直接影響を及ぼすため、より一層、性能・機能面に気を配る必要が出てきています。さらに、一昔前よりスマートデバイスの性能向上のスピードが速まってきており、導入時点で早々に、リプレースについても念頭に置く必要性が出てきました。これらのことから、スマートデバイスは「所有」して長く使うよりも、リースやレンタルで最新機種を「利用」するほうが、労働環境の変化が速い現代にマッチしているといえます。
2.アウトソース化が進む中、キッティングから廃棄業務まで対応可能なDaaSが時代にマッチ
製品選定から導入、ユーザーごとのログイン情報やアカウントの管理、それに伴うセキュリティ対策やネットワーク管理など、システム管理者の作業は増える一方です。そこで生産性向上のための業務効率化施策の一環として、アウトソース可能な業務は外注する、ということが通例になってきました。そのため、スマートデバイスのキッティングから廃棄業務までをアウトソースするという考え方についても、時代の流れにマッチしているという背景もあります。
Device as a Serviceのメリット
Device as a Serviceは、スマートデバイスを業務利用している企業に様々なメリットがあります。
まず1つ目は、コストの予測がしやすい点です。DaaSはサブスクリプションモデルを採用しており月額料金でデバイスを利用できるため、コストを予測しやすくなるとともに、経理業務の負担の軽減や、投資判断の迅速化にも繋がります。
2つ目は、最新デバイスの活用です。DaaS事業者は定期的にデバイスを交換するため、企業は交換のタイミングで最先端のデバイスに変更できます。古い端末だと最新のアプリケーションに対応できない、最新のOSにアップデートするための容量が足りないなど様々な影響があります。最新デバイスであれば、これらの問題を気にせず使いやすい状態を維持することができます。
3つ目は、人的リソースの最適化です。デバイスの管理やメンテナンスはDaaS事業者が行うため、企業のIT部門は他の重要なコア業務に集中することができます。これにより、人的リソースを効率的に活用し、企業全体の生産性を向上させることができるのです。
4つ目に、ビジネスの成長や変化に応じて、デバイスの数を柔軟に調整できる拡張性です。新しいデバイスの追加や不要になったデバイスの廃棄が容易に行えるため、企業は事業成長やビジネスの状況変化に迅速に対応できます。
最後に、セキュリティの強化です。多くのDaaS事業者はセキュリティ対策を標準で提供しているため、デバイスの紛失や盗難、データ漏洩のリスクを軽減します。さらに、プロバイダーによる定期的なソフトウェア更新やセキュリティパッチの適用により、常に最新のセキュリティ状態を維持することができます。
まとめ
スマートデバイスは今、「所有」して長く使うより、リースやレンタルで最新機種を「利用」するほうがマッチする時代にきています。
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