【徹底比較】EMM/MDM市場の主要製品
スマホやタブレットなどのモバイルデバイスの業務使用が浸透する中、従来、それらのモバイルデバイスを管理するプラットフォーム「MDM」をモバイルデバイスと合わせて導入するのが通例でした。しかし最近ではモバイルデバイスのみならず、デバイス内のアプリやコンテンツまで管理する必要があり、統合された機能を持つエンタープライズモビリティ管理「EMM」がメインになりつつあります。
そこで今回は、EMMに含まれるMDM・MAM・MCMの機能の違いと関係性、EMM/MDM市場における主要製品の比較や選び方をご紹介します。
1.EMM・MDM・MAM・MCMの意味や違い
テレワークや働き方改革が進められる中、EMM、MDM、MAM、MCMといったモバイルデバイス関連を管理するプラットフォームが注目を集めています。
これらはスマホやタブレットなどのモバイルデバイスを企業で業務使用する際、デバイスやインストールされているアプリ、取り扱うコンテンツ等を管理・運用するための強力な機能を提供するものです。
それぞれのプラットフォームが持つ機能の違いや、これら4つのプラットフォームの関係性について解説していきます。
●EMMとは
EMMとは、Enterprise Mobility Management、つまり「エンタープライズモビリティ管理」のことで、モバイルデバイス管理の「MDM機能」、アプリケーション管理の「MAM機能」、コンテンツ管理の「MCM機能」の3つの機能を併せ持ったプラットフォームです。モバイルデバイス、セキュリティ、アプリケーションの管理などを包括的に行うことができます。昨今、従来のMDMだけでは事足りず、アプリやコンテンツも包括的に管理できるEMMに注目が高まっています。
●MDMとは
MDMとは、Mobile Device Management、つまり「モバイルデバイス管理」のことで、モバイルデバイスの管理・運用を行うことができるプラットフォームです。 例えば、管理者が利用状況を監視したり、デバイスの盗難や紛失が起きた際には、管理者がリモートでロックやパスコードのリセット、データ消去(リモートワイプ)などができたりする機能が備わっています。
●MAMとは
MAMとは、Mobile Application Management、つまり「モバイルアプリケーション管理」のことで、モバイルデバイスにインストールされているアプリの機能を制限、管理するプラットフォームです。
例えば、アプリ間のデータの共有方法を管理したり、データを外部にコピーできないようにしたり、パスコードの設定などができます。
●MCMとは
MCMとは、Mobile Content Management、つまり「モバイルコンテンツ管理」のことで、モバイルデバイスで取り扱う業務に必要なコンテンツを管理するプラットフォームです。
一般的なのは、社外秘のデータを、インターネットによる送受信や保存の際に暗号化する機能です。例えば、クラウドストレージ型やファイル共有型のシステムがあり、ネット上に安全なストレージを設けて、そこへ業務に必要なファイルなどを保存したり、受け渡しを行ったりできます。
●それぞれの関係性
これまで見てきたEMM・MDM・MAM・MCMは、いずれもモバイルデバイス周りを管理するもので、中でもEMMは、MDM・MAM・MCMを包括するものです。モバイルデバイスは、もはやビジネスや業務には欠かせない存在になっており、デバイスだけでなくアプリやコンテンツについても管理が重要になります。従来のMDMだけではカバーできなくなってきていることから、MAMやMCMが登場し、さらに、これら3つすべてが備わったEMMが注目されています。
2.EMM 主要製品のご紹介
●Workspace ONE
「いつでも・どこでも・あらゆるデバイスから」安全に業務を遂行できるデジタルワークスペース環境をクラウドサービスとして提供するEMMプラットフォームです。利便性とセキュリティを両立させた業務環境の提供を基本とした機能が備わっています。
【主な機能】
・多様な種類のデバイスを効率的に一元管理する機能
・セキュリティ対策機能
・モバイルアプリの配布
・Eメールやファイルサーバー・イントラネット等の社内システム連携
・アプリケーションへのシングルサインオンなど
【特徴】
・統合エンドポイント管理(UEM)により、プラットフォームごとの複雑な管理や高コスト、セキュリティなどの課題を解決。
・アプリケーションやメールを含むモバイル管理で、進化を続けるデジタルワークスペース全体のセキュリティを保護。
・MDM・EMMソリューションを提供してきたAirWatchの機能強化により、Windows10のセキュリティなどの管理が可能。
・SAAS型クラウドアプリケーションへのシングルサインオンや、端末のアクセス制御、二要素認証といったアクセス管理、簡素化により、ユーザーの利便性を向上し、生産性向上を図ることが可能。
3.MDM 主要製品のご紹介
●CLOMO MDM
MDM市場13年連続シェアNo.1。非常に簡単な操作で、確かな安全を実現します。モバイルデバイスの盗難・紛失防止や業務外用途での利用制限、ユーザーの利用内容の把握など、効率的にモバイルデバイスが管理できます。
※出典:デロイト トーマツ ミック経済研究所「コラボレーション/コンテンツ・モバイル管理パッケージソフトの市場展望(https://mic-r.co.jp/mr/00755/ )」2011〜2013年度出荷金額、「MDM自社ブランド市場(ミックITリポート12月号: https://mic-r.co.jp/micit/2023/ )」2014~2022年度出荷金額・2023年度出荷金額予測
【主な機能】
・マルチOS(iOS、Android、Windows、Kindle)をリモートで一括管理。
・利用状況の確認機能として「OS」などの基本情報や、「位置情報」「インストールされているアプリ」などの情報を取得。
・デバイス設定をMDMで強制的に制限。「パスワード利用のルール」「カメラ機能」「アプリケーションの購入」など。
・デバイスの「データ初期化」や「ロック」などをリモートで強制的に操作し、盗難紛失時の情報漏洩や第三者の利用を防止。
【特徴】
・管理者にやさしいUI/UX設計。
・マルチデバイス・マルチキャリアの一元管理が可能。
・アプリの配信・管理をリモートで行えるため、スマートデバイスの運用効率を向上。
・利用状況の監視により、緊急時も素早く対処が可能。
・盗難・紛失時にも、位置情報の検知やメッセージ通知などの簡易対策から、デバイスの起動ロック・初期化や、電子証明書の失効などの確実な対策まで、様々な対応が可能。ユーザー側も安心してスマートデバイスを業務に活用可能。
・スマートデバイスの環境を変更する必要が生じた時も、管理者がリモートで環境を整備できるため、ユーザーによる調整の手間が必要最低限で済む。
●LANSCOPE エンドポイントマネージャー クラウド版
スマホやタブレットだけでなくPCも一元管理することができ、導入後の活用状況の把握、紛失・盗難時の情報漏洩が防止できるMDMです。
【主な機能】
・紛失対策で利用されるリモートロックやリモートワイプ機能。
・資産管理や操作ログの取得、位置情報の取得などの機能。
【特徴】
・iOS、Android、Windows、macOSのマルチOS対応で、スマホ・タブレット・PCの一元管理が可能。
・3STEPの操作で目的を達成できるシンプルな管理コンソールで使いやすさを徹底的に追求。
・活用状況のレポートを通して、導入したデバイスの費用対効果の見える化に貢献。
・管理・運用の自動化により、管理者の工数を削減、より生産性の高い業務に集中できる。
4.自社に合う製品の選び方
モバイルデバイス周りを管理する製品には、様々なものがあります。これらの製品を選ぶ際のポイントを挙げます。
1.Windowsに対応しているか
モバイルデバイスの主流はiOSですが、Windowsの管理に対応しているかどうかは、「働き方改革」などによる生産性向上を目指す上で欠かせません。Windows10の存在により、さらに業務利用でWindowsの利用が高まっている中、Windowsに対応していることは必須条件といえます。Windowsタブレット、つまりモバイルデバイスとPCの中間の存在も出てきているため、モバイルデバイスにおいてもPCで大きなシェアを誇るWindowsが混在していく可能性もあります。
2.サービスの拡張性はあるか
先にEMM・MDM・MAM・MCMを取り上げましたが、MDM機能のみの製品を選んだ場合、運用途中でMAMの機能が必要になったとき、サービス拡張が容易にできることは重要なポイントになります。はじめから包括的なEMMを選んでおくほか、サービスの拡張性が見込める製品を選んでおくことは、将来の競争力強化のためにも、コスト削減のためにも欠かせないことといえます。
3.今後も機能がアップデートされていくか
拡張性にも通じることですが、その製品の機能が今後もアップデートされていくかどうかも重要なポイントです。日進月歩で進化していくデバイスやビジネススタイルに合った管理ができるよう、将来を見据えたアップデートが随時行われる製品のほうが当然、コスト面でもビジネス面でも有利になります。
MXモバイリングでは、貴社の事情やご要望をお伺いした上で、最適なEMMやMDM製品をご提案いたします。導入を検討しているものの、どの製品が良いかわからない、判断が難しい、といった場合にも、お気軽にご相談ください。
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