クラウドPBXとは?スマホ内線化により働き方改革などメリット多数!
テレワークが進んだことにより、社外から電話があったときに担当者が在宅勤務で、スムーズに取り次げないというシーンはよくあります。しかし、重要な電話になればなるほど、スムーズな対応が肝心となり、社員のスマートフォンに内線のように取り次ぐなどの対策を検討する必要があります。
そこで今回は、スマートフォンを内線化する方法として「クラウドPBX」の概要や種類、仕組み、機能、メリット・デメリットをご紹介します。
目次[非表示]
- 1.テレワークが引き起こしている社外からの着電課題
- 2.スマホの内線化を実現する「クラウドPBX」とは
- 3.クラウドPBXの仕組み
- 4.クラウドPBXの機能
- 4.1.代表番号発着信機能
- 4.2.保留転送機能
- 4.3.スマートフォンの内線化
- 5.クラウドPBXのメリット
- 6.クラウドPBXのデメリット
- 7.クラウドPBXを選ぶときのポイント
- 7.1.機能の豊富さ
- 7.2.システム連携の柔軟さ
- 7.3.サポート対応
- 7.4.企業規模で選ぶ
- 8.クラウドPBXの導入ステップ
- 9.まとめ
- 9.1.関連コラム
- 9.2.関連サービス
- 9.3.関連資料ダウンロード
テレワークが引き起こしている社外からの着電課題
テレワークが進む中、社内の固定電話にお客様からの着信があった場合、内線のある社内であれば、すぐに担当者に電話を取り次ぐことが可能です。
しかし担当者が在宅勤務中の場合はそうもいきません。「大変申し訳ございません。担当者はただいま在宅勤務中でして、後ほど担当者より折り返しさせていただきます」などと伝え、担当者に業務用のスマートフォンからお客様にかけなおすよう伝えるというケースが増えています。
お客様をお待たせすることになること、スムーズな対応ができないことで顧客満足度が下がったり、機会の損失が生じたり、業務が滞るなどの課題が生じてしまったりします。
スマホの内線化を実現する「クラウドPBX」とは
そのような課題を解決する方法が、スマートフォンの内線化です。これにより、社員が持つ(業務用)スマートフォンに社内の内線機能を持たせることができるため、電話をスムーズに取り次いだり、スマートフォンから会社の固定電話の番号でかけ直したりすることができるようになります。
このスマホの内線化に有効なのが「クラウドPBX」です。PBXとは、内線、外線、転送機能を利用できるようにする装置のことで、それをクラウド上に構築するのがクラウドPBXです。
クラウドPBXはインターネット環境さえあれば導入できるため、それを用いてスマホを内線化することで、社員がどこにいてもオフィスにいるのと変わらない電話対応を行うことが可能となります。
PBXの種類
PBXには複数の種類があります。PBXの中で、スマートフォンの内線化を実現するクラウドPBXはどのような特徴があるのかを確認しておくためにも、PBXの種類を確認しておきましょう。
PBX
PBXとは「Private Branch eXchange」の略称で、構内交換機のことを指します。PBXは社内に専用機器を設置し、その機器に対して電話線同士を接続し、電話線に電気信号を流して通信を行います。
PBXを利用するメリットは、外線を経由しないことから、内線同士で通話する分には通話料金がかからないという点です。さらに、外線からの着信を複数の内線端末に振り分けることができる点もメリットです。
IP-PBX
IP-PBXとは、IP電話機で従来のPBXを実現するものです。IP電話は、電話回線ではなくインターネット回線を利用して通話を行います。インターネットがつながっている環境であれば、IP-PBXを一拠点に導入するだけで、拠点間での内線がつながります。またIP電話機のほか、スマートフォンなども接続できます。
専用機器の設置が必要なハードウェアタイプと、専用機器が不要のソフトウェアタイプの2種類があります。
クラウドPBX
クラウドPBXは、インターネットのクラウド環境にPBXを設置し、従来のPBXの機能を実現するものです。社内に専用機器を置くことがないため、導入の手間とコストを削減できます。
IP-PBXと同様、インターネットにつながっていれば通話が可能であり、スマートフォンを接続して内線化することも可能ですが、IP-PBXとは異なります。IP-PBXでも、専用機器の設置が不要なソフトウェアタイプがあると先述しましたが、これは社内のサーバーにソフトウェアをインストールして利用する形態のため、サーバーは社内に設置する必要があります。その点、クラウドPBXは、社内に一切の専用機器を必要とせず、接続できるという特長があります。
クラウドPBXの仕組み
続いて、クラウドPBXの仕組みを解説します。
クラウドPBXは、社内外にある電話機をインターネットにつなぐことで、クラウド上に構築したPBXによって制御できる仕組みになっています。
特徴は、自社のオフィス内ではなくインターネット上に構築されたPBXを利用する点にあります。
クラウドPBXの機能
クラウドPBXには、様々な機能があります。ここでは主な機能をご紹介します。
代表番号発着信機能
会社の代表番号にかかってきた電話を、固定電話機やスマートフォンなど、接続されている機器で受けることができる機能です。また固定電話機はもちろん、スマートフォンからも「代表番号からの発信」が可能です。
保留転送機能
保留転送機能は、従来からあるビジネスフォンの機能です。例えばお客様から代表電話に電話がかかってきて、社内の電話で受けたとします。その際、もし別の担当者に取り次ぎたい場合には、電話を一時的に保留し、担当者にお客様からの通話を転送することができます。
スマートフォンの内線化
導入したクラウドPBXの専用アプリをスマートフォン端末へインストールして設定すれば、内線端末として利用できます。つまり、社員が持つ他のスマートフォンや固定電話機など、クラウドPBXにつないでいる機器と内線通話を行えるようになります。
また、電話の取り次ぎの際の保留や転送なども、スマートフォンで行うことができるようになります。なお、スマートフォンはインターネットが通じるところであれば、どこからでもクラウドPBXと接続できるため、保留や転送などの機能も使えます。
【関連コラム】
固定電話をスマホで受けるには?スマホで外線・内線を受ける方法をご紹介
クラウドPBXのメリット
クラウドPBXを導入し、さらにスマートフォンの内線化もあわせて行うことで、様々なメリットが生まれます。
コロナ対策
クラウドPBXはインターネットを利用して通信ができるため、場所を選ばない通話が可能になります。特にスマートフォンを内線化することで、新型コロナウイルス感染症の感染拡大のために、3密を防ぐ意味での社員のテレワーク化をより効率的に実現します。
働き方改革
スムーズな電話取り次ぎ、情報伝達により、業務効率化が実現します。これにより社員の満足度向上、生産性の向上など、現代の働く人々のニーズに合った働き方改革につながります。
顧客満足度向上
顧客からの電話を保留・転送する機能を利用することで、テレワーク中の担当者にもスムーズに取り次ぐことができるため、顧客満足度の向上につながることが期待できます。
災害対策
スマートフォンを内線化しておくことで、災害時の連絡手段や連絡網としても役立ちます。昨今増えている大型台風や地震などの自然災害に対するBCP対策にもなり得ます。
コスト削減
クラウドPBXは、内線通話の際には通話料金が無料になるため、通信料のコスト削減につながります。
レイアウト変更などの際に工事が不要
従来の物理的に構築していたPBXを用いた社内電話は、オフィスレイアウト変更などが生じるたびに移動や工事が必要でした。しかしクラウドPBXであれば、物理的な移動の手間や工数、工事費用などがすべて不要になり、手間やコストの削減を実現します。
クラウドPBXのデメリット
クラウドPBXを導入しようとしたときには、合わせてデメリットについても確認しておくのをおすすめします。
毎月固定費用が発生する
クラウドサービス全般に言えることですが、導入時のコストを抑えられる代わりに、毎月クラウド利用料が発生するため、月額固定など料金を支払っていくのが一般的です。従来のビジネスフォンは、買い切りで利用するのが一般的だったため、クラウドPBXに変更するとコストのかかり方が変わることは念頭に置いておく必要があります。
通話品質がインターネット環境やアプリによって左右される
クラウドPBXはインターネットを通じて通話を行うため、品質が電話回線とは異なり、インターネット環境に左右されるところがあります。スマホ利用の際には当然、電波の届かない場所では不安定になるでしょう。
通話品質を重要視される場合にはキャリアFMCサービスとの組み合わせをすることも可能です。
【関連コラム】
クラウドPBXのメリット・デメリットを徹底解説します!
クラウドPBXを選ぶときのポイント
クラウドPBXの導入に当たっては、自社の目的にあったサービスを選ぶことが重要です。携帯で固定電話を受けられるようにしたい場合と、拠点間の通話料を削減したい場合だと、求める機能が大きく違うため、必然的に導入するクラウドPBXも異なるでしょう。
そのため、「何のためにクラウドPBXを導入するのか」という要件を先に社内で明確にしておきましょう。それによって導入後に目的と違った、というトラブルを避けることができます。以下ではどのような観点で選べばよいのかを説明していきます。
機能の豊富さ
サービスによって機能に違いがあります。FAX機能や着信時の電話番号表示、自動音声応答機能など、使い方によって求められる機能が異なります。
また、コールセンターなどでクラウドPBXを利用するのであれば、通話録音など相応の機能を備えたサービスが必要になるでしょう、そのため、自社に必要な機能を明確にしたうえで、その機能を搭載しているサービスを選ぶとよいでしょう。
システム連携の柔軟さ
MAや CRM 、SFAといったマーケティングツールや顧客管理システムを使用している場合、それらと連携できるかどうか確認しておく必要があります。
サポート対応
電話はビジネスに必要不可欠ですので、導入後のトラブル対応などのサポート品質も重要です。
あまり電話を使わない企業は気にしなくてもいいですが、営業職が多いなど顧客対応品質が求められる企業の場合は、サポート内容をよく確認しておくとよいでしょう。
企業規模で選ぶ
中小企業が導入する場合は、契約期間や料金を比較するといいでしょう。今の規模だけで乗り換えたときのことだけでなく、今後メンバーが増えた場合でもコスト削減になるのかどうかを知っておく必要があります。
大企業が導入する場合は、内線番号数や同時通話数、外線番号数など、既存の設定を変えることなく対応できるかを確認しましょう。
また、電話は日常的に使用するためトラブルが発生したときにスピーディーな対応が求められます。
クラウドPBXの導入ステップ
1.クラウドPBXの利用目的や環境を整理する
クラウドPBXはサービスによって機能が異なるため、まずは目的を明確にしましょう。
その上で、利用人数や拠点数、使い方などの利用環境を整理します。
場合によっては自社のネットワーク環境を整備する必要もあるかもしれません。こういった点を初期の段階で整理しておくことで、契約した後の問題が起きにくくなります。
2.クラウドPBX業者を選定する
利用目的や環境を整理できたら、その目的にあった業者を選びましょう。
ここで重要なのは、長期的にも使用する観点で選ぶことです。プランによっては人数によって費用が変わるため、逆に通話料が高くなることも考えられます。
人数の増加や拠点数の変動があった場合にも、コストが抑えられるのかはよく確認しておきましょう。
また、移転の場合は導入時期が移転に合うのか、既存番号がそのまま引き継げるかなど、実際の導入要件を満たしているか確認しておくことも忘れないようにしましょう。
3.トライアルやデモを申し込んで、実際に使ってみる
クラウドPBXはサービスごとに音声品質に差があります。
また、一般的には高品質でも拠点や時間帯、利用人数によって通話品質が悪くなることもあります。
そのため、必ず導入前にトライアルで通話品質を比較して、問題なく使えるかを確認しましょう。
これらを経てクラウドPBXを導入することで、導入後の多くのトラブルを未然に防ぐことができます。
一度導入したらなかなか変えにくいからこそ、導入前の確認を丁寧に行いましょう。
まとめ
今後は、テレワークとともに出社も並行して行うハイブリッド型の勤務体制が定着していくといわれています。社員やメンバーが社内外に散らばって業務を行っていくスタイルはより一層当たり前になっていくでしょう。そうした状況の中で、クラウドPBXによってスマートフォンも含めてつながり合い、コミュニケーションを円滑に取ることのできる体制を構築することは、業務効率化や顧客満足度向上を実現し、収益アップや企業成長など、大きなメリットにつながると考えられます。
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