会議を変えるiPad活用~メモ、録音、資料配布の最短ワークフロー~

会議を変えるiPad活用 ~ メモ、録音、資料配布の最短ワークフロー ~

会議のたびに「メモは紙」「録音はICレコーダー」「資料は紙配布やメール添付」とツールが分散していると、議事録作成や資料共有に余計な手間がかかりがちです。さらに、オンラインとオフラインが混在するハイブリッド会議では、「誰に何を共有したか」「最新版はどれか」の管理が煩雑になり、情報漏れや抜け漏れの原因にもなります。

iPadを会議の“ハブ”として活用すれば、メモ・録音・資料配布を1台に集約し、会議前後のルーチンを大幅に削減できます。Apple Pencilでの手書きメモを録音と紐づけたり、会議直後に議事メモと資料をワンタップで配布したりと、現場の運用を変えるワークフローを組むことが可能です。

本記事では「メモと録音の一元管理」「紙資料の即デジタル化と注釈」「会議後の資料配布と議事共有」の3つのシーン別に、iPadを使った最短ワークフローと設定のポイントをご紹介します。公式サポートページへのリンクも掲載していますので、ぜひ日々の業務効率化にお役立てください。

メモと録音を一体管理して議事作成を効率化

会議中のメモと音声録音をバラバラに管理していると、「このメモはどの発言に対応していたか」を後から突き合わせる必要があり、議事録作成の負担が増えます。

iPadの「メモ」Appと「ボイスメモ」Appを組み合わせ、会議ごとに日付と案件名で統一管理しておくことで、「録音を聞きながらメモを見返す」「メモ内のキーワードで会議を横断検索する」といった使い方が可能になり、議事作成や後追いがスムーズになります。

使い方手順

  1. 会議前に、iPadの「メモ」Appを開き、新規メモを作成します。タイトルに「案件名_日付_会議種別」(例:A社提案_20251121_定例)と入力します。
  2. 本文の先頭に、参加者・目的・アジェンダなどの定型フォーマットを用意しておき、会議開始前に埋めておきます。
  3. 並行して「ボイスメモ」Appを開き、新規録音を開始します。録音タイトルも同じ命名ルール(例:A社提案_20251121_定例)に変更しておきます。
  4. 会議中の要点は、Apple Pencilまたはキーボードで「メモ」Appに記入します。重要な決定事項には「★」「決定」などのラベルを付けるなど、あとで検索・抽出しやすい記法を統一しておきます。
  5. 話題が切り替わるタイミングで、メモ内に時刻を記録します。例えば「10:15~見積条件」「10:35~スケジュール」のように手動で入れておくと、後からボイスメモの再生位置を合わせやすくなります。
  6. 会議終了後、「ボイスメモ」Appで録音を停止し、必要に応じて不要な頭出し部分や雑談部分をトリミングします。
  7. 録音データが大きい場合や共有が必要な場合は、「ボイスメモ」Appの共有メニューからファイルAppや社内ストレージ(SMB共有など)にエクスポートし、メモ本文内に保存先のリンクやファイル名を追記しておきます。
  8. 後日、議事録を作成する際は、メモAppでキーワード検索を行い、該当箇所の時刻情報を頼りに「ボイスメモ」を再生しながら内容を正確に起こしていきます。

注意点

  • 録音は、会議参加者の同意を得たうえで実施してください。特に社外との会議では、録音可否を事前に合意しておくことをおすすめします。
  • 機密性の高い会議の録音データは、保存先とアクセス権限を明確にし、社内の情報管理規程に沿って運用してください。
  • 録音時間が長くなるとファイルサイズも大きくなります。長時間会議が多い場合は、会議単位で録音を分割するか、定期的に不要データを整理してください。
  • iCloud同期を利用する場合、オフライン環境では同期が遅れることがあります。重要な会議の直後は、ネットワーク状況を確認したうえでバックアップを行ってください。

公式案内

詳しくはAppleの公式サイトをご覧ください(外部サイトに移動します)

紙・PDF資料を即デジタル化してiPadで直接書き込む

会議で配布される紙の資料や、事前にメールで届いたPDFをそのまま参照していると、「印刷の手間」「配布漏れ」「最新版の管理」「手書きメモの回収」など、運用コストが蓄積します。

iPadの「ファイル」Appと「PDFマークアップ」機能を活用すれば、紙資料をその場でスキャンしてPDF化し、Apple Pencilで直接書き込みが可能です。配布側も、あらかじめ共有フォルダに格納したPDFを参照してもらう運用に変えることで、ペーパーレス化とバージョン管理の一元化が実現できます。

使い方手順

  1. 紙資料がある場合は、会議前または開始直後にiPadの「ファイル」Appを開きます。保存先となるフォルダ(例:iCloud Drive/会議資料/案件別)を選択します。
  2. 画面右上のメニューから「書類をスキャン」を選択し、紙資料をカメラで撮影します。自動検出された範囲を確認し、必要に応じてトリミングして保存します。複数ページの場合は続けてスキャンします。
  3. スキャン完了後、ファイル名を「案件名_日付_資料名.pdf」など、社内で定めたルールに沿って変更します。
  4. 事前にPDFで届いた資料は、「メール」Appや「Teams」「Slack」などの添付ファイルを「共有」から「ファイルに保存」を選択し、同じ案件フォルダにまとめておきます。
  5. 会議中に注釈を入れたい資料を「ファイル」Appから開き、画面上部の「マークアップ」をタップします。Apple Pencilや指で、赤入れ・丸囲み・付箋代わりのメモなどを書き込みます。
  6. ページ単位でコメントを整理したい場合は、「マークアップ」のテキストツールを使い、「課題」「要検討」「決定事項」などタグを付けておきます。
  7. 会議後、書き込み済みPDFはそのまま同じフォルダに上書き保存されます。必要に応じて、閲覧専用コピーを作成し、編集用と閲覧用を分ける運用も可能です。
  8. 会議参加者に資料を共有する場合は、「ファイル」Appから該当PDFを選択し、「共有」>「リンクをコピー」や「メールで送信」を利用して配布します。SMB共有など社内ファイルサーバを利用している場合は、保存パスを通知する方法も有効です。

注意点

  • スキャン時の画質は、カメラの向きや照明に影響されます。歪みや影が多いと文字認識や閲覧性が落ちるため、できるだけ平面かつ明るい場所で撮影してください。
  • PDFへの書き込みは元ファイルを直接更新します。元ファイルを残したい場合は、事前に複製を作成してからマークアップを行ってください。
  • 社外共有がある資料は、機密レベルに応じて書き込み内容や保存先を分けるなど、情報区分に沿った運用が必要です。
  • iCloud Driveや他クラウドストレージと連携している場合、オフライン環境では最新状態が反映されない場合があります。重要な会議では、事前に対象ファイルをこのiPad内に保存する運用も検討してください。

公式案内

詳しくはAppleの公式サイトをご覧ください(外部サイトに移動します)

会議直後に資料と議事を一括共有してフォローを標準化

会議後の「議事録の作成・配布」や「資料の再送」は、担当者ごとのやり方に依存しがちで、対応漏れや配布先のブレを生みます。

iPadの共有機能と標準Appを組み合わせて、「会議フォルダから関係者へ一括共有する」ルールを決めておくことで、会議後のフォローを標準化できます。

メモのテキスト化やPDFの一括送信を、会議室を出る前に完了させる運用に切り替えることで、担当者の負担軽減と対応スピードの向上が期待できます。

使い方手順

  1. 会議中に作成したメモを開き、必要に応じてその場で簡易議事に整えます。最低限、「決定事項」「宿題・担当者」「期限」「次回予定」などの項目を明確にしておきます。
  2. メモをメールで共有する場合は、右上の「共有」メニューから「メール」を選択し、宛先に参加者の共通メーリングリストやチームアドレスを入力します。件名に「【議事録】案件名_日付」を付けて送信します。
  3. チャットツールで共有したい場合は、「共有」メニューから「Teams」「Slack」など、社内で利用しているAppを選択し、会議用チャンネルやグループに直接投稿します。
  4. 資料一式をまとめて共有する場合は、「ファイル」Appで当該会議フォルダを開き、共有対象のPDFや関連資料を選択します。複数選択して「共有」メニューから「リンクをコピー」または「メール」を選びます。
  5. リンク共有を行う場合は、社内ポリシーに応じて「閲覧のみ/編集可」の権限設定を確認し、基本は閲覧のみで配布します。
  6. 会議ごとの共有先を標準化するため、メモのテンプレートやファイル名ルールの中に「配布先メーリングリスト」「格納先フォルダパス」を記載し、担当者が迷わず送信できるようにしておきます。
  7. 定例会議など、毎回同じ宛先・同じフォルダに共有する場合は、ショートカットAppで「特定フォルダ内の最新ファイルをメールに添付する」といった簡易フローを作成し、共有作業を定型化することも検討します。
  8. 会議終了直後に共有を完了させる運用を徹底するため、会議室退室前に「メモ送信」「資料リンク送信」までをToDoとしてチェックするルールをチーム内で共有しておきます。

注意点

  • メールやリンク共有の権限設定は、社内のセキュリティポリシーに従ってください。特に社外参加者がいる会議では、共有範囲の確認を行ってから送信してください。
  • PDFや資料のバージョンが複数存在する場合、「最新版」の判定基準(ファイル名・保存先・更新日時など)をあらかじめルール化しておくことが重要です。
  • ショートカットによる自動添付を利用する場合は、誤送信防止のため、送信前に内容確認のステップを1つ挟む構成をおすすめします。
  • 複数のクラウドやファイルサーバをまたいで資料を管理している場合、受信側がアクセスできない保存先を指定してしまうケースがあります。共有前にアクセス権限と利用環境(VPNの要否など)を確認してください。

公式案内

詳しくはAppleの公式サイトをご覧ください(外部サイトに移動します)

【ご注意】
本記事の内容は、2025年12月時点の情報に基づいて作成しています。
ご利用のiPadの機種やiOSおよびiPadOSのバージョンによっては、設定方法や表示が異なる場合があります。
また、記事内でご案内している公式ページのURLについては、掲載時点のものとなります。リンク先の内容は予告なく変更される場合がありますので、最新情報については必ず公式ページをご確認ください。

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