
eSIMの時代がやってきた ~ SIMカードの未来と私たちの暮らし ~
スマートフォンを買い替えるたびに、小さなSIMカードを取り出して入れ替える・・・ そんな作業も、もう過去のものになるかもしれません。
近年注目を集めている「eSIM(イーシム)」は、私たちのモバイルライフを大きく変えようとしています。
目次[非表示]
- 1.eSIMとは何か?
- 2.なぜ注目されているのか?
- 3.個人ユーザーにとってのeSIMの利点
- 4.企業・産業用途でのeSIMの利点
- 5.eSIM対応端末
- 5.1.スマートフォンのeSIM対応機種
- 5.1.1.Apple(iPhone)
- 5.1.2.Google Pixel
- 5.1.3.Samsung Galaxy
- 5.2.タブレットのeSIM対応機種
- 5.2.1.Apple iPad(セルラーモデル)
- 5.2.2.Microsoft Surface
- 6.eSIMの今後の展望
- 7.関連コンテンツ
- 7.1.関連コラム
- 7.2.関連サービス
- 7.3.関連資料ダウンロード
eSIMとは何か?
eSIMとは「embedded SIM(組み込み型SIM)」の略で、物理的なカードではなく、スマートフォンやタブレット、スマートウォッチなどのデバイスに内蔵されたチップにSIM情報を直接書き込む技術です。
これにより、通信キャリアの切り替えやプラン変更が、アプリやQRコードを使って簡単に行えるようになります。
なぜ注目されているのか?
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利便性の向上
旅行先で現地の通信プランをすぐに利用できたり、複数のキャリアを使い分けたりと、柔軟な通信環境が実現します。 -
物理スペースの節約
デバイス内部のスペースを節約できるため、より小型化・高性能化が可能になります。
特にスマートウォッチやIoT機器にとっては大きなメリットです。 -
環境への配慮
プラスチック製のSIMカードの製造・廃棄が不要になり、環境負荷の軽減にもつながります。
個人ユーザーにとってのeSIMの利点
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SIMカードの差し替えが不要
eSIMは端末に内蔵されているため、物理的なSIMカードを抜き差しする必要がありません。
スマホの設定画面やQRコードを使って、簡単に通信プランを切り替えられます。
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複数の通信プランを同時に利用可能
多くのeSIM対応端末では、eSIMと物理SIMのデュアルSIM運用が可能です。
たとえば、仕事用とプライベート用、あるいは国内用と海外用の番号を1台のスマホで使い分けられます。 -
海外旅行や出張時に便利
現地のeSIMプランをオンラインで購入し、到着前に設定しておけば、空港に着いた瞬間から通信が可能。SIMカードを探す手間や言語の壁を回避できます。
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盗難・紛失時のセキュリティ向上
eSIMは端末に組み込まれているため、盗難時にSIMカードを抜かれて悪用されるリスクが低くなります。また、遠隔でのロックや通信停止も可能です。 -
環境にやさしい
物理SIMカードの製造・輸送・廃棄が不要になるため、プラスチックごみの削減やCO₂排出の抑制にもつながります。
企業・産業用途でのeSIMの利点
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IoTデバイスとの親和性
スマートメーター、車載通信機器、産業用センサーなど、小型でアクセスしにくいデバイスに最適。遠隔で通信プロファイルを更新できるため、現場に行かずに管理が可能です。 -
運用コストの削減
大量のデバイスを管理する企業にとって、SIMカードの物理的な管理・交換作業が不要になることで、人件費や物流コストの削減が期待できます。 -
グローバル展開が容易
eSIMはリモートプロビジョニングに対応しており、世界中の通信キャリアのプロファイルを柔軟に切り替えられます。これにより、国や地域ごとに異なるSIMを用意する必要がなくなります。
eSIM対応端末
2025年時点でのeSIM対応端末は、スマートフォンを中心に、タブレットやスマートウォッチなど多岐にわたっています。
以下に、主なカテゴリごとに代表的な対応機種をまとめました。
スマートフォンのeSIM対応機種
Apple(iPhone)
- iPhone 16シリーズ(16 / 16e / 16 Plus / 16 Pro / 16 Pro Max)
- iPhone 15シリーズ
- iPhone 14〜11シリーズ
- iPhone XS / XS Max / XR
- iPhone SE(第2・第3世代)
※iPhoneは2018年のXS以降、すべてeSIMに対応しています。
Google Pixel
- Pixel 9a / 9 / 8a / 8 / 7a / 7 / 6a / 6 / 5 / 4a(5G)など
Samsung Galaxy
- Galaxy S24 / S23 / S22 / S21シリーズ
- Galaxy Z Fold / Z Flipシリーズ(Fold5, Flip5など)
- Galaxy A25 5G などの一部ミッドレンジモデルも対応
【関連サービス】法人向けスマートフォン・携帯
タブレットのeSIM対応機種
Apple iPad(セルラーモデル)
- iPad Pro(第3世代以降)
- iPad Air(第4世代以降)
- iPad(第7世代以降)
- iPad mini(第5世代以降)
Microsoft Surface
- Surface Pro 10 with 5G
- Surface Pro with 5G(第11世代)
【関連サービス】Microsoft Surface
eSIMの今後の展望
eSIMはすでにスマートフォン、スマートウォッチ、タブレット、ノートPC、さらには自動車やドローンにも搭載され始めています。
将来的には、完全eSIM化(物理SIMスロットの廃止)が進むと予想され、よりシームレスで柔軟な通信環境が実現するでしょう。
※ eSIMの利用には、端末が対応しているだけでなく、通信キャリア側のeSIMサービスにも対応している必要があります。
※ 日本国内では、ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル、ahamo、UQ mobile、ワイモバイル、mineoなどがeSIMを提供しています。