VRで行う安全教育とは?メリットやサービスをご紹介!

最終更新日: 2024.02.08
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

企業や組織における安全教育は、労働災害を防止する上で重要な教育の一つです。安全教育が特に必要とされる危険を伴う業務では、労働者が知識・技能を十分に持っていなければ、労働災害を防ぐことができません。そのためには、質の高い安全教育が重要です。
そこで今回は、安全教育をより効果的に実施するための新しい手法、VRを用いた安全教育についてご紹介します。

安全教育の重要性

安全教育はなぜ重要なのでしょうか。一言で言えば、労働災害を防止するためです。大規模な労働災害は特に、未然に防止するための対策を徹底しなければなりません。

労働安全衛生法においては、労働者を一定の危険有害業務に就かせる場合には、資格取得や特別教育を実施するよう義務付けられています。その背景には、過去の労働災害を分析した結果、危険有害性に関する知識や対応する技能を有していれば、防止できたケースが多数認められたためとされています。

また、自然災害が多い日本では、BCP(事業継続計画)対策としての価値もあります。近年、増えている大規模地震やゲリラ豪雨をはじめとする自然災害等に対して、企業は従業員や関係者の安全の確保及び、事業継続のための迅速で的確な対応が求められています。

安全教育の課題

一方で、企業内で実施されている安全教育には、主に次のような課題があります。

●実施場所・時間の制約がある
一般的に、従来の安全教育は現場での直接指導や、研修会場での集合研修が主でした。また、建設業や製造業においては、機械に対する安全な使用の教育も重要となるため、模擬体験のための装置や設備が必要になり、研修センターなどで安全教育を実施するケースも多くあります。しかし、実施場所の制約や一斉実施ということから、時間の制約があるという課題があります。

●金銭的・時間的コストがかかる
集合研修は特に、資料や場所の手配、通達などの金銭的コストと時間的コストがその都度かかるため、大掛かりとなってしまいます。これにより、安全教育を継続的に実施することが難しくなります。

安全教育の課題

●リアリティに欠ける
安全教育は、いかにリアルに危険を想定し、その中で正しい行動が迅速にとれるかどうかが重要です。しかし日常の延長にある研修の場では、どうしてもリアリティに欠けてしまいます。結果として研修を行っても労働災害の危険性を身を持って感じることができず、学習効果も下がってしまいます。

安全教育におけるVR利用のメリット

安全教育の課題を解決するために、近年、 多くの企業が工夫を行っている中、「VR」を利用した安全教育に注目が集まっています。

VRとは「Virtual Reality(バーチャルリアリティ)」の略で、あたかも現実であるかのように感じられる世界のことを指します。専用のヘッドマウントディスプレイを装着することで視界が360度覆われ、限りなく現実に近い世界に没入するバーチャル体験ができます。このVR技術は、ゲームや音楽のライブなど、エンターテインメントから遠隔地から手術や治療を支援する医療や介護まで幅広く活用されています。

安全教育におけるVR利用のメリット

VRを安全教育に取り入れると、例えば、高所作業時の梯子や脚立からの墜落・転落、足場移動時の道具の落下、工場作業時の感電、フォークリフトの横転、火災や機械への巻き込まれなど、現場では起きやすいが、現実では再現不可能な事故をバーチャルの世界で体感することができます。そのリアリティの高い世界で、あたかも実地訓練をするかのような体験を提供できます。

VRを活用した安全教育は厚生労働省が発表している第13次労働災害防止計画(2018年度~2022年度)(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000197309.html)においても、危険感受性を向上するための教育として推奨されており、労働災害を防止するためにVRは有効と言えます。

このVRによる安全教育には、次のメリットが期待できます。

・時間・場所を選ばずに実施できる
・リアリティがあり高い学習効率が得られる
・再現することが難しい危険な学習を安全に行える
・会場手配、移動、資料作成、連絡などの時間的・金銭的コストの削減が可能
・同一教材により講師の質に左右されず均一な教育が可能

このように、従来の課題を解決する多数のメリットがあります。

VRを用いた安全教育のポイント

VRを用いた安全教育をより効果的に実施するためには、ポイントがあります。ぜひ次の項目を押さえておきましょう。

●VRの種類と特長を押さえる
VRと一口に言っても、複数の種類があります。それぞれの特長を確認しておきましょう。

VRを用いた安全教育のポイント

1.CG版
バーチャルの世界を、コンピューターグラフィックス(CG)を用いて再現する手法です。トラッカータイプと3Dカメラタイプがあります。

・トラッカータイプ
トラッカーと呼ばれる装置を、ヘッドマウントディスプレイと共に腕や足などの身体に装着することで、装着した場所の位置を正確に捉えることができます。そのため、自分の身体の動きと同じ動きをバーチャルの世界に反映できます。

利用者の立ち位置、動作の速さをコントロールできますが、トラッカーを付けていない指などの細部の動きは再現できない点は課題といえます。

・3Dカメラタイプ
3Dカメラとは3次元で撮影できるカメラのことです。CGでありながら、現実に近い表現ができます。3DカメラタイプのVRは、トラッカーと比べて人間の動きに近い、滑らかで細やかな動きのCG上での再現が可能です。
指の動きなど細かな動作も再現できるので、よりリアリティが高まります。

2.実写版
実写版は、CGではなく、現実世界を360度カメラで撮影した映像を利用する方法です。
バーチャルといっても、現実そのものの世界なので、違和感が少ないことが特長です。コンテンツ制作においては、CGのように一から作り込むのではなく、撮影してテロップなどを加える作業で済むため、比較的コンテンツ作成が容易である点も特長として挙げられます。
一方で、CGと比べて現実にはない設備や人物などは再現できない点、爆発などの大規模な事故は再現が困難である点があります。

これらの種類別の特長と導入目的とを突き合わせて、最適なものを選びましょう。

●導入方法の違いとコストに注意する
自社コンテンツを開発する場合と、既存コンテンツを購入もしくはレンタルする場合の費用は大きく異なります。特に自社コンテンツを開発する場合は よりコストがかかりますので、予めコストと制作期間の見積もりをしっかりとっておきましょう。

MXモバイリングのVR安全教育サービス

MXモバイリングでは安全教育VRサービスを提供しています。

●法人向けVRサービス
VR消火訓練シミュレータをはじめとする安全教育VRとソリューションをご提供しております。

●教育内容
・VR消火訓練シミュレータ
VR消火訓練シミュレータは、業務中などに起こる火災を想定し、消火訓練を行うことのできる教育コンテンツの一種です。360度カメラで撮影した実写映像に、CGで炎と煙を再現することで、VRの世界で火災発生時に最も重要な初期消火を訓練することができます。

・安全啓蒙VR
工場災害体験・オフィス災害体験・交通事故体験など、労働現場や日常に潜む災害事例をVRで体験することができる安全教育コンテンツです。実際に体験することで、災害を自分事化し安全意識を高めます。

・水害体験VR
VRを活用した水害体験の安全教育コンテンツです。近年増加している集中豪雨等による水害の危険から身を守るための行動を体験し、災害への備えを学習します。

・地震体験VR
VRを活用した地震体験の安全教育コンテンツです。360°の映像により、地震で揺れている時や避難時の、身の守り方や注意点を体験・学習できます。

・鉄塔作業中の不安全行動による転落VR
鉄塔の上で作業中、不安全行動による高所からの転落を再現したVRによる安全教育コンテンツです。安全帯の誤った使い方をした場合の転落、正しく使用した場合のヒヤリハット、2つのシーンを体験できます。

・避難体験VR
火災が起きているビルの中を、非常口まで脱出する状況を再現したVRの安全教育コンテンツです。黒煙が立ち込める中、誘導灯を頼りに避難する体験ができるため、避難が必要になった際のスムーズな避難活動をサポートします。


MXモバイリングのVR安全教育サービス

まとめ

このように、従来の安全教育の課題を解決できる方法で実施する企業が増えてきています。安全教育のより効果的な方法を模索されている場合には、VR活用がおすすめです。

今回ご紹介した事例は、MXモバイリングが法人向けにご提供している、安全教育VRのソリューションの「VR消火訓練シミュレータ」の事例です。自衛消防に関する法定講習実施機関としての専門的知見を有する「一般社団法人東京防災設備保守協会」の監修により、火災や煙などをリアルな映像で再現した消火訓練ができます。消火訓練として認められると、消防団体によって確認済みです。自社のオフィスや施設など、現場や火災シーンにカスタマイズすることも可能なので、自社の要望に合わせたコンテンツの最適化も行えます。

VR消火訓練シミュレータはレンタルも行っております。ご興味のある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

関連サービス

関連資料ダウンロード

PAGE TOP

無料トライアル・お問い合わせ

無料トライアルへのお申し込み・導入に関するご相談・ご質問などお気軽にお問い合せください。